安静も時として

木村政彦という柔道家をご存知でしょうか。
“鬼の木村”との異名をとり15年間無敗のまま現役を引退をした史上最強の呼び声の高い柔道家です。

木村政彦の強さは身体能力のみならず絶対的な稽古量にもその裏付けがあったようです。
「寝ている姿は死の姿」と言い切り、日々の睡眠時間を3時間に抑えて稽古に打ち込んでいたようです。

木村政彦については数多くの伝説があるので興味のあるかたはネット等でお調べいただくことにして、
今回は安静にすることの弊害についてお話ししたいと思います。

東洋医学では体調が悪くなったときに、必ずしも安静にしなければならないというわけではありません。
むしろ、安静にすることで病状が悪化する場合があるのです。

大正~昭和にかけて活躍した治療家に沢田健という人がいました。
彼は結核のサナトリウムの病棟を見学した際に
「生きている者に死んだ真似をさせてはいけません」
と言い、当時の結核の治療法であった栄養を摂って安静にするという病院の方針を否定したそうです。

東洋医学では運動不足は肺機能を弱らせるとされています。
そして現代医学でも、術後はただ安静にするだけでなく、適度に体を動かすように言われるようになってきました。

何事も過ぎたるは及ばざるが如しで、安静にしすぎることも例外ではありません。
重篤な病気に罹っていない限りは適度な運動も身体を健康にする要因になるということです。

ただし木村政彦のように過度に追い込んだ運動は身体に負担がかかりすぎるので注意ですよ。